全成分表示のルールからわかる化粧品の選び方
化粧品は全成分表示が義務付けられています。
医薬部外品「薬用○○」は全成分表示の必要はありません。
化粧品には全成分表示のルールがあるので、これらを理解できればそれだけ化粧品の選び方も分かるようになってきます。
自分の肌に合わない成分が使われているか否か、使用感の違い(しっとり・さっぱり)、油系なのか水系なのか。。。などなど。
全成分の見方がわかれば得られる情報量も増えるので、メーカーのうたい文句に踊らされることなく自分に合った製品選びができるようになります。
そのために役立つ全成分表示に関するルールについて解説します。
化粧品の全成分表示からわかること
使用されている成分の中でも「1%以上の成分」については、配合量が多いものから順番に表示されています。
逆に「1%以下の成分」は表示の順番に決まりはなく、列挙されている全成分のどこからがそれに該当するのかは消費者側にはわかりません。
そして製品に使われている原料の全てが表示されます。
着色剤については、まずそれ以外の成分を並べた後に順不同で表示することになっています。
これらのことからザックリしたルールは4つ。
- 1%以上の成分は配合量が多いものから
- 1%以下の成分は表示の順に決まりなし
- 使われている全ての原料を表示
- 着色剤はそれ以外の成分の後に順不同で表示
但しこれらが分かったところで配合量の詳細まで把握できるものではありません。それなのに化粧品成分では「配合量がどの程度か」が重要なポイントになってしまうのです。
成分の配合量のポイント
自分にとって合う・合わない成分を把握することはとても大事です。これが把握できれば製品選びの際にも役立つことは間違いありません。
ですが実は製品選びでは配合量も大事だったりします。
何故なら成分によって「どれくらいの量で効果を期待できるか」が違うからです。
たった1%で効果を期待できるものもあれば、5倍10倍使わないと全く効果を期待できない成分もあります。
更に言うと配合量が多すぎるとトラブルの原因になってしまう成分もあるわけです。
そしてこの配合量はメーカーにとって企業秘密となるため、電話で問い合わせたところで正直に全て教えてくれるところはないでしょう。
こうしたことから、配合成分ももちろんですが配合量もとても大事なポイントになるといえます。
とはいえ消費者側がそれを知る由はないので、この点もHPなどで公開しているメーカーは良心的なのかな。とは思います。
ちなみに「○○成分配合なので○○を期待できます」のような製品があったとして、でも実際は効果を期待できるほどの量が使われていなければ、単にその成分が入っているだけにすぎず肝心の効果は全く期待できない。なんてこともあるので要注意です。
表示しなくてもいい成分もあり
企業秘密の成分について厚生労働省が許可してくれれば成分名で表示しなくていいことになっていますが、実施は承認申請が認められないことが多いようです。
次にキャリーオーバー成分と呼ばれるものも表示義務はありません。
これは有効成分以外として使用されるもので例えば、製品そのものの防腐目的や脱色を防ぐ目的で配合するような成分がこれに該当します。
こうした成分については表示しなくていいことになっています。
成分の特長を知ることも大事
具体的な数値で配合量が分からないとしても、各成分にどのような特長があるのかを知るだけでも製品選びに役立ちます。
例えば保湿成分として用いられる原料でよく使われるものにBG、グリセリン、DPGがあります。
これらを例に挙げると、どれが使われているかで製品のテクスチャーをだいたい把握できます。
ベタベタな使用感…グリセリン
サッパリした使用感…BG、DPG
これらが一般的に知られている特長ですが、配合量が変わると人によって使用感も変わってきます。
製品づくりでは消費者側が長く使い続けたくなるような使用感や実感できる効果をどれだけ演出できるかが大事になってきます。
中でもテクスチャーといった使用感は肌質が人によって違うように、捉え方も人によって違うためメーカーの狙いと使用者の声が異なるケースも多いです。
さらに発揮性溶剤とされるエタノールなどは配合量によって「使った後の方が乾燥する気がする」や「肌への浸透感を実感できた」など感想が分かれる成分でもあります。
このように成分そのものの特長を少しでも知っているだけでも、自分に合う・合わない成分がわかってくると思います。
医薬部外品における全成分表示
全成分表示が義務付けられているのは化粧品であって、医薬部外品や薬用化粧品については義務とされていません。
親切なところは箱などに有効成分とその他の成分ということで表示していますが、それだって本当に全ての成分が表示されているかは不明なとことです。
決まりとしては
- 「有効成分」と「その他の成分」に分けて表示する
- ※印で説明を別表気にするのもOK
- 有効成分は承認書の記載順で表示
- その他の成分は企業の判断で順不同でもOK
- 全成分表示である必要はない
ザックリこんな感じです。
もっと細かく言うと化粧品と医薬部外品とでは「成分の表示名が違う」なんてのもあります。例えば「水」が「精製水」など。
まとめ
アレルギーの原因になったり、万が一肌トラブルが起こった時に原因となる成分を特定しやすくするためにも全成分表示は必要なことです。
それでいて医薬部外品はその義務がない。というのは何とも不思議なルールだな。という気もします。
いずれにせよ特定の成分が合わないという人も多いので、そういった成分を避けるためにも製品選びの際には全成分に注目してみてください。