医薬部外品とは?化粧品との違いを分かりやすく解説
医薬部外品という言葉が使われているだけで「何だかよくわからないけれど効きそう」なイメージがあると思いますが、本当にそうなのでしょうか。
実際のところどうなの?ということで医薬部外品の「何だかよくわからない」部分を分かりやすく解説します。
一般化粧品と医薬部外品とで具体的に何が違うの?
これらはどの法律で定められているの?
など知っておくだけでも商品選びで役に立つので、化粧品と医薬部外品の違いについて解説していきます。
法律で定められている「薬機法」とは
●正式名称
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
●略して
現:医薬品医療機器等法または薬機法
旧:薬事法
薬機法とは、化粧品と医薬部外品の違いあるいは区分について定義されている法律のことです。
参照URL
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/dl/140825_0-1.pdf
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000145
医薬部外品と化粧品との違い
法律でそれぞれ定義されているところによると、
【化粧品とは】
人体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚や毛髪等を健やかに保つために、皮膚または毛髪に塗擦、散布などされる物で、人体に対する作用の緩和なもの(医薬品、医薬部外品の効能効果を持つものを除く)
【医薬部外品とは】
人体に対する作用が緩和なものであり、医薬品のように販売業の許可を必要とせず、一般小売店において販売することができる。
このような違いがあります。
簡単に言うと厚生労働省が「一定の予防効果があります」と認めたもので、その作用は医薬品と比べると緩和なものが医薬部外品ということになります。
例えば育毛剤なら「薬用○○」という名前がついた商品がこれに当たります。
もちろん育毛剤のみならずスキンケアアイテム(化粧品や乳液など)やシャンプーにも、薬用と名の付く商品はたくさんありますよね。
これらに全てに厚生労働省が「目的へのアプローチが可能な成分」として認めた成分が有効成分として配合されています。
なので化粧品と医薬部外品の決定的な違いとしては、
「化粧品は清潔や美化を目的・効能をうたえない・安全性が高い」
「医薬部外品は予防や衛生目的・有効成分の表示が可能・効能をうたえる」
それぞれこうした目的で商品が開発・製造されているということになります。
業者側に課せられる許可の取得
安全性、品質、有効成分の濃度をはじめ、製造認定を受けた工場や設備がなければいけないなど、厳格な審査やルールが設けられています。
製造販売業者で医薬部外品を扱う場合、医薬部外品製造販売業許可の取得が必要になり、ここでも許可要件をクリアしなければなりません。
製造所においては医薬部外品製造業許可の取得が必要になるうえ、海外に工場を有する場合は外国製造業者認定の取得が必要になります。
ちなみに包装・表示・保管も製造過程とみなされるため、ただ保管するだけの場所であっても製造業許可を取得しないといけません。
等のように法律で定められています。
具体的な違いの例~育毛剤とシャンプー編~
法律での定義の違いがわかったところで、では具体的に各商品ごとにどのような違いがあって使用目的が変わってくるのか。を解説します。
ここでは当サイトでも扱っている育毛剤とシャンプーで比較してみたいと思います。
育毛剤における化粧品と医薬部外品の違い
育毛剤を使う人を想像したらだいたいわかるかと思いますが、
化粧品の育毛剤
うたいもんくに「育毛」というワードは使えないため「養毛○」となります。
髪の毛と頭皮を健やかに保つ、水分や油分を補う、痒みやフケを抑える
医薬部外品の育毛剤
薄毛改善、育毛、発毛促進、脱毛予防などの効果を期待できる
こうした違いがあります。
育毛剤と養毛剤など似たような言葉が使われていますが、「育毛」というワードを使えるのは医薬部外品だけなので、化粧品の場合は「養毛剤(養毛料)」という名前が使われています。
シャンプーにおける化粧品と医薬部外品の違い
シャンプーは洗髪の時に使うということを考えても、
化粧品のシャンプー
毛髪や頭皮を清潔にし健やかに保つ
医薬部外品のシャンプー
頭皮トラブル(乾燥、痒み、フケ、汗臭など)を防いで、消炎効果、抜け毛防止効果などを期待できる
こうした違いがあります。
表示の違い
医薬品と医薬部外品とではパッケージへの表示の違いもあります。ここでいうパッケージとは容器や外箱のことを言います。
例えば全成分。
化粧品は全成分表示が義務付けられているのに対し、医薬部外品は全成分表示は有効成分の表示があれば残りの成分表示は不要とされています。
但し皮膚障害などアレルギーなどを引き起こすかもしれない成分については表示することになっています。
実際にはメーカーによって全成分表示が不要でもすべて表示されている商品もあれば、成分表示が有効成分以外ないメーカーもあります。
化粧品と医薬部外品の結局のところ
直接肌に使用するアイテムなので化粧品であれ医薬部外品であれ、まず自分の肌で肌トラブルを起こさない商品を選ぶことが大事になります。
結局のところどちらも一長一短なので一概に良し悪しを判断できるものではないので、迷ったら自分の使用目的に適している方を選ぶのがおススメです。
確かに有効成分配合の方が効果はありそうな感じはしますが、一定の効果が認められていると同時に肌トラブルのリスクも大きくなるので、人によっては使用後に赤み、痒み、吹き出物なのどトラブルの原因になることも考えられます。
そのため商品選びではまず「何のためにそのアイテムを使う必要があるのか」など、自分なりの使用目的をはっきりさせてから、目的に合ったものを選ぶようにしましょう。