医薬部外品でうたえる効能~育毛剤やシャンプーなど
化粧品と医薬部外品とでは、効能効果の範囲が違います。
こちらでは医薬部外品の効能効果の範囲を紹介しますが、当サイトで関係ありそうな種類(育毛剤やシャンプー除毛剤など)だけ一部抜粋したものが以下になります。
医薬部外品でうたえる効能効果の範囲
(3) その他の医薬部外品 | 効能効果の範囲 |
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口中清涼剤: 吐き気その他の俯瞰間の防止を目的とする内用剤 | 溜飲、悪心・嘔吐、乗物酔い、二日酔い、宿 酔、口臭、胸つかえ、気分不快、暑気あたり |
腋臭防止剤: 体臭の防止を目的とする外用剤 | わきが(腋臭)、皮膚汗臭、制汗 |
てんか粉類: あせも、ただれ等の防止を目的とする外用剤 | あせも、あしめ(あむつ)かぶれ、ただれ、股づれ、かみそりまけ |
育毛剤(養毛剤): 脱毛の防止及び育毛を目的とする外用剤 | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛 |
除毛剤: 除毛を目的とする外用剤 | 除毛 |
薬用化粧品類: 化粧品としての使用目的iiを併せて有する化粧品類似の剤型の外用剤 | ・シャンプー・リンス:ふけ・かゆみを防ぐ、 毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ、毛髪・頭皮を清 浄にする、毛髪の水分・脂肪を補い保つ、 裂毛・切毛・枝毛を防ぐ、毛髪・頭皮をす こやかに保つまたは毛髪をしなやかにす る ・ 化粧水・クリーム・乳液・化粧用油、パッ ク:肌あれ、あれ性、あせも・しもやけ・ ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ、油性肌、 カミソリまけを防ぐ、日やけによるシミ・ そばかすを防ぐ、日やけ・雪やけ後のほて り、肌をひきしめる、肌を清浄にする、肌 を整える、皮膚をすこやかに保つ、皮膚に うるおいを与える、皮膚を保護する、皮膚 の乾燥を防ぐ ・ ひげそり用剤:カミソリまけを防ぐ、皮膚 を保護し、ひげを剃りやすくする ・ 日やけ止め剤:日やけ・雪やけによる肌あ れを防ぐ、日やけ・雪やけを防ぐ、日やけ によるシミ・そばかすを防ぐ、皮膚を保護 する |
薬用石けん(洗顔料を含む): 化粧品としての使用目的を併せて有する石けん類似の剤型の外用剤 | ・ 殺菌剤主剤製剤:皮膚の清浄・殺菌・消毒、 体臭・汗臭及びにきびを防ぐ ・ 消炎剤主剤製剤:皮膚の清浄、にきび・カ ミソリまけ及び肌あれを防ぐ |
薬用歯みがき類: 化粧品としての使用目的を併せて有する歯みがきと類似の剤型の外用剤 | 歯を白くする、口中を浄化する、口中を爽快 にする、歯周炎(歯槽膿漏)の予防、歯肉(齦 ぎん )炎の予防、歯石の沈着を防ぐ、むし歯を防 ぐ、むし歯の発生及び進行の予防、口臭の防 止、タバコのヤニ除去 |
参照元:試験問題の作成に関する手引き(平成19年8月) 第4章 別表
効能効果の範囲の違いとメーカー側の思惑
うたえる効能効果の範囲はジャンル別に法律で決められているため、医薬部外品ではOKでも一般化粧品ではNGな表現が多々あります。
多々あるというか化粧品、医薬部外品のそれぞれで決められた範囲でしか効果をうたえないことになっているため、メーカーからすれば医薬部外品を選択した方がメリットが多いと言えます。
消費者側からしても「美白」とか具体的な効果を明言している商品の方がなんだかイイ感じがする。という印象を持たれる人が多いかと思います。
しかし実際のところとしては、大きな声では言えませんが「医薬部外品よりも化粧品の方がいい場合もある」ってことをご存知ですか?
これはメーカー側が声を大にして言いたいけど言えない、ちょっとした小話です。
成分の濃度や配合率がメリットにもデメリットにもなる
医薬部外品で有効成分として配合できる成分は認可成分だけとなります。
対して化粧品は法律で56項目しか効能効果をうたえないことになっているのですが、実は他にも言えない(または言わなくていい)ことがあるのです。
それは成分濃度や配合率。
全成分表示は義務化されていても配合成分の濃度まで消費者に知らせる必要はありません。
しかし成分の中には高濃度な方が本来期待できる効果を発揮できる成分もあるわけで、これが化粧品だと配合可能になるのです。
対して医薬部外品では認可成分を配合できるものの実は配合率にも制約があり、これがデメリットとなってしまうことがあります。
だったら効果を発揮できるまで高濃度な成分を配合できる化粧品の方がいい気がする…と思ってしまうものですが、何故メーカーは化粧品よりも医薬部外品を選択するのか?
それは、例えこうしたデメリットがあったとしても明確な効果をしっかり消費者に伝えられる医薬部外品の方がメーカー側にとっては販売戦略が立てやすいから。
買う側も効能効果を基準に選びたくなるものですよね。この気持ち分からなくもないですが、果たしてそれが自分にとって本当にいい製品なのか否かはまた別の話ということです。
販売戦略におけるメリット
化粧品と医薬部外品の効能効果の範囲を定めている法律は薬機法という法律で、これに加え他にも様々な関連法規によって多くのメーカーが泣きをみていると言われています。
一般化粧品として成分にこだわり、どんなにいい製品を作っても宣伝やパッケージに使用できる魅力的な効果やうたいもんくは何も使えず、限られた表現しかできないのが現状です。
こうなってくると販売戦略は立てずらくなり、他の製品との差別化も難しくなってきます。
こうしたこともありハッキリと効果をうたえる医薬部外品の方が消費者へ訴えやすいわけです。購入する側も目的に合った製品を選びやすくなるというメリットがあります。